醍醐味とは何か?仏典に記された乳製品の最高峰
醍醐味という言葉は、仏典の大般涅槃経に登場する「醍醐」という単語に由来します。醍醐とは、「牛より乳を出し 乳より酪を出し 酪より生酥を出し 生酥より熟酥を出し 熟酥より醍醐を出す 醍醐は最上なり」と書かれているように、ミルクを加工していって最後に得られる最上のもののことです。パーリ聖典にも同様の記述があります。醍醐は、貴族たちの高級食品や万病に効く薬として扱われ、そこから転じて最上のモノの例えとして使われるようになりました。
醍醐の作り方と味は?ミルクボーイが挑戦
醍醐は、ミルクを発酵させた酪、酪を振った生酥、生酥を加熱した熟酥、熟酥を保温した醍醐の4段階で作られます。それぞれの工程と味はどうなっているのでしょうか?番組では、ミルクボーイが、帯広畜産大学の平田昌弘教授の指導のもと、実際に醍醐を作って試食するという実験を行いました。その結果は以下の通りです。
工程 | 説明 | 味 | 成分 |
---|---|---|---|
酪 | 生乳に種菌を入れて38℃で5時間発酵させる | 薄い、酸っぱい | 発酵乳とほぼ同じ |
生酥 | 酪を2時間振る | プラスチックのチーズ、何も味がない、スティックのりの感じ | 塩気のないバターのようなもの |
熟酥 | 生酥を弱火で加熱し水分を飛ばす | 味がない、すぐ溶ける、軟膏 | 95%が脂質でバターオイルとほぼ同じ |
醍醐 | 熟酥を25℃で12時間保温する | バターの端っこ、クレヨンなめたみたいな感じ | 短鎖脂肪酸が多く低温で液体になるバターオイル |
醍醐の魅力とは?希少性と歴史的価値
醍醐の味は、ミルクボーイにとってはあまり美味しくないようでしたが、それでも醍醐味という言葉が生まれたのには理由があります。醍醐の魅力は、その希少性と歴史的価値にあります。醍醐は、ミルクを加工する過程で最も少量しか得られないもので、1Lの生乳からわずか10g程度しか作ません。また、醍醐は、古代インドや中国では貴重な食材や薬として珍重され、仏教の教えにも登場するほどのものでした。醍醐は、最上の味というよりも、最上の境地や体験を表す言葉として使われるようになりました。
まとめ
この記事では、チコちゃんに叱られる!で放送された「醍醐味ってなんの味?」というクイズの答えとその裏話を紹介しました。醍醐味とは、仏教の教えに由来する言葉で、あらゆる乳製品の中で最も上質で希少なものの味を指します。
その醍醐を作る過程や成分、歴史や文化について、専門家の解説や実験、試食の様子を見てきました。醍醐の味は、現代人にとってはあまり魅力的ではないかもしれませんが、その希少性と歴史的価値は、最上のモノの例えとして今も生きています。
醍醐味という言葉は、私たちの日常にも様々な場面で使われていますが、その本来の意味を知ると、より深く感じることができるのではないでしょうか。
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