便秘は、日本人の約4人に1人が悩んでいると言われる健康問題です。便秘は、お腹の不快感や肌荒れ、老化、生活習慣病などの原因にもなります。便秘の原因は、運動不足やストレス、食生活の乱れなどが考えられますが、食べ物を見直すことで改善できる可能性があります。
2024年2月22日に放送されたNHKの「あしたが変わるトリセツショー」では、便秘に効果がある食べ物について紹介されました。この記事では、その内容をもとに、便秘に効く食べ物や飲み物、注意点などを詳しくご紹介します。便秘に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
便秘に効く食べ物とは？
便秘に効く食べ物として、以下の3つのポイントが重要です。
- 食物繊維を多く含む食べ物
- 善玉菌のエサとなる食べ物
- 腸の動きを促す食べ物
それぞれのポイントについて、具体的な食べ物を見ていきましょう。
食物繊維を多く含む食べ物
食物繊維は、人間の消化酵素で分解されない食品成分で、便のかさや水分を調節し、便通を促進します。食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。不溶性食物繊維は、便のかさを増やし、腸を刺激して便通を促進します。便秘の状態によって、必要な食物繊維の種類は異なりますが、バランスよく摂取することが大切です。
食物繊維を多く含む食べ物としては、以下のようなものがあります。
- 穀類：玄米、押し麦、オートミール、全粒粉など
- 野菜類：ごぼう、大根、キャベツ、ブロッコリー、オクラなど
- 果物類：キウイ、りんご、みかん、プルーンなど
- いも類：じゃがいも、さつまいも、里芋など
- 豆類：大豆、あずき、枝豆、納豆など
- 海藻類：昆布、わかめ、ひじき、寒天など
- 種実類：ごま、ひまわりの種、アーモンドなど
これらの食べ物を、毎日の食事に取り入れることで、便秘の改善に役立ちます。特に、キウイは、食物繊維のほかにも、便秘に効果的な成分が含まれていることが最新の研究で明らかになっています。キウイに含まれるアクチニジンという酵素は、タンパク質の消化を助け、便の柔らかさを保ちます。また、キウイに含まれるビタミンCは、腸の動きを活発にし、便通を促進します。1日2個のグリーンキウイを食べることで、便秘や腹部の不快感が改善したという報告があります。
善玉菌のエサとなる食べ物
善玉菌とは、腸内に住む有益な細菌のことで、腸内環境を整え、便秘の予防や改善に重要な役割を果たします。善玉菌は、水溶性食物繊維やオリゴ糖、乳酸菌などをエサにして増殖します。これらの成分を多く含む食べ物としては、以下のようなものがあります。
- オリゴ糖を含む食べ物：玉ねぎ、にんにく、アスパラガス、はちみつ、味噌、醤油など
- 乳酸菌を含む食べ物：ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、キムチ、味噌など
これらの食べ物を摂取することで、善玉菌のエサとなり、腸内の善玉菌を増やします。善玉菌は、腸内を弱酸性にすることで、悪玉菌の増殖を抑え、腸の運動を活発にします。また、善玉菌は、便の水分や柔らかさを調節する作用もあります。特に、ビフィズス菌を含むヨーグルトは、高い整腸作用が期待できます。
腸の動きを促す食べ物
腸の動きを促す食べ物としては、不飽和脂肪酸やマグネシウムを含む食べ物があります。不飽和脂肪酸は、腸のぜん動運動を刺激し、便の通りを良くします。マグネシウムは、水分の吸収を高め、便を柔らかくします。また、食物繊維と一緒に摂ると、腸のぜん動運動を助ける作用があります。不飽和脂肪酸やマグネシウムを含む食べ物としては、以下のようなものがあります。
- 不飽和脂肪酸を含む食べ物：オリーブオイル、アボカド、ナッツ類、青魚など
- マグネシウムを含む食べ物：ほうれん草、バナナ、アーモンド、カカオなど
これらの食べ物を、毎日の食事に取り入れることで、便秘の改善に役立ちます。特に、オリーブオイルは、エキストラ・バージン・オリーブオイルがおすすめです。エキストラ・バージン・オリーブオイルは、抗酸化物質が豊富で、便通を促すだけでなく、腸の老化を防ぐ効果も期待できます。
便秘に効く飲み物とは？
便秘に効く飲み物としては、以下の3つのポイントが重要です。
- 水分補給をする飲み物
- 腸内環境を整える飲み物
- 腸の動きを促す飲み物
それぞれのポイントについて、具体的な飲み物を見ていきましょう。
水分補給をする飲み物
水分補給は、便秘の予防や改善に欠かせません。水分が不足すると、便が固くなり、排便が困難になります。水分補給をすることで、便の水分量を増やし、便の柔らかさを保ちます。水分補給には、水や白湯、お茶などがおすすめです。コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、利尿作用があるため、水分補給には向きません。また、炭酸飲料やジュースなどは、糖分や添加物が多く、腸内環境を悪化させる可能性があります。水分補給の目安は、1日に1.5～2リットルです。食事の前後や運動後など、こまめに水分補給を心がけましょう。
腸内環境を整える飲み物
腸内環境を整える飲み物としては、乳酸菌やオリゴ糖などを含む飲み物があります。乳酸菌やオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを改善します。乳酸菌やオリゴ糖を含む飲み物としては、以下のようなものがあります。
- 乳酸菌飲料：ヨーグルトドリンク、カルピス、ヤクルトなど
- オリゴ糖飲料：オリゴ糖入りのお茶やジュースなど
これらの飲み物を、毎日の食事に取り入れることで、便秘の改善に役立ちます。ただし、乳酸菌やオリゴ糖の種類や量は、商品によって異なります。自分の腸と相性のいいものを選ぶことが大切です。また、糖分やカロリーが高いものは、摂りすぎに注意しましょう。
腸の動きを促す飲み物
腸の動きを促す飲み物としては、コーヒーや紅茶、ウーロン茶などのカフェインを含む飲み物があります。カフェインは、腸のぜん動運動を刺激し、便通を促進します。しかし、カフェインは利尿作用もあるため、水分補給には向きません。また、カフェインの摂りすぎは、不眠や動悸などの副作用を引き起こす可能性があります。カフェインを含む飲み物は、1日に2～3杯程度に抑えましょう。また、牛乳や砂糖などを加えると、カロリーが高くなります。ブラックやストレートで飲むのがおすすめです。
便秘に効く食べ方とは？
便秘に効く食べ物や飲み物を知ったところで、次に大切なのは食べ方です。食べ方にも、便秘の予防や改善に役立つポイントがあります。以下に、便秘に効く食べ方を紹介します。
朝食をしっかり食べる
朝食をしっかり食べることは、便秘の予防や改善にとても重要です。朝食を食べることで、胃や腸の働きが活発になり、便意を感じやすくなります。また、朝食には食物繊維や乳酸菌など、腸にいい食材を取り入れることができます。朝食を食べる時間は、起床後2時間以内が目安です。朝食を食べると、胃-結腸反射という現象が起こります。これは、胃に食べ物が入ると、腸が大きく動くという反射です。この反射を利用して、朝食後30分以内にトイレに行くことがおすすめです。朝食を食べることで、一日の便通のリズムを整えることができます。
食事の時間と量を決める
食事の時間と量を決めることも、便秘の予防や改善に役立ちます。食事の時間と量を決めることで、胃や腸の働きを整え、消化吸収をスムーズにします。食事の時間は、毎日同じくらいの時間にすることがおすすめです。食事の間隔は、3～4時間程度にすることが理想です。食事の量は、自分の満腹感に合わせて調節しましょう。食べ過ぎると、胃や腸に負担がかかり、便秘の原因になります。食べ過ぎないようにするためには、食事の前に水分補給をしたり、ゆっくり噛んで食べたり、小皿に盛り付けたりするといいです。食事の時間と量を決めることで、一日の便通のリズムを整えることができます。
噛む回数を増やす
噛む回数を増やすことは、便秘の予防や改善にとても効果的です。噛むことで、食べ物を細かくし、唾液と混ぜることができます。唾液には、消化酵素や殺菌作用があり、胃や腸の働きを助けます。また、噛むことで、脳に満腹信号が伝わり、食べ過ぎを防ぐことができます。さらに、噛むことで、顎や頭の血流が良くなり、脳の活性化やストレスの緩和にもつながります。噛む回数は、一口につき20～30回が目安です。噛む回数を増やすことで、便秘の改善に役立ちます。
便秘に効くレシピとは？
便秘に効く食べ物や飲み物、食べ方を知ったところで、最後に便秘に効くレシピを紹介します。便秘に効くレシピとしては、以下のようなものがあります。
キウイとヨーグルトのスムージー
キウイとヨーグルトのスムージーは、便秘に効果的な食材を組み合わせた飲み物です。キウイは、食物繊維やアクチニジン、ビタミンCなど、便秘に効果的な成分が豊富です。ヨーグルトは、ビフィズス菌などの乳酸菌を含み、腸内環境を整えます。このスムージーは、朝食やおやつにぴったりです。
材料（1人分）
- グリーンキウイ 1個
- ビフィズス菌入りヨーグルト 100g
- 水 100ml
作り方
- キウイの皮をむき、一口大に切る。
- ブレンダーにキウイ、ヨーグルト、水を入れて、なめらかになるまで混ぜる。
- コップに注いで、冷やして飲む。
ごぼうと鶏肉の炒め物
ごぼうと鶏肉の炒め物は、便秘に効果的な食材を組み合わせた料理です。ごぼうは、不溶性食物繊維が豊富で、便のかさを増やし、便通を促進します。鶏肉は、タンパク質や不飽和脂肪酸が多く、腸の動きを刺激します。この炒め物は、ご飯やサラダと一緒に食べるとおいしいです。
材料（2人分）
- ごぼう 1本
- 鶏もも肉 200g
- しょうゆ 大さじ2
- みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- ごま油 大さじ1
- すりごま 適量
作り方
- ごぼうはささがきにし、水にさらしてアクを抜く。
- 鶏肉は一口大に切り、しょうゆ、みりん、酒、砂糖で下味をつける。
- フライパンにごま油を熱し、鶏肉を皮目から焼く。
- 鶏肉に火が通ったら、ごぼうを加えて炒める。
- しょうゆなどの下味がなくなるまで炒める。
- すりごまをふりかけて、盛り付ける。
まとめ
便秘は、日本人の約4人に1人が悩んでいると言われる健康問題です。便秘は、お腹の不快感や肌荒れ、老化、生活習慣病などの原因にもなります。便秘の原因は、運動不足やストレス、食生活の乱れなどが考えられますが、食べ物を見直すことで改善できる可能性があります。
この記事では、便秘に効果がある食べ物や飲み物、食べ方、レシピを紹介しました。便秘に効果がある食べ物や飲み物は、以下のようなものです。
- 食物繊維を多く含む食べ物：キウイ、ごぼう、玄米など
- 善玉菌のエサとなる食べ物：ヨーグルト、オリゴ糖など
- 腸の動きを促す食べ物：オリーブオイル、バナナ、コーヒーなど
便秘に効果がある食べ方は、以下のようなものです。
- 朝食をしっかり食べる
- 食事の時間と量を決める
- 噛む回数を増やす
便秘に効果があるレシピは、以下のようなものです。
- キウイとヨーグルトのスムージー
- ごぼうと鶏肉の炒め物
これらの食べ物や飲み物、食べ方、レシピを参考にして、便秘とおさらばしましょう。
便秘の改善には、個人差があります。自分に合った食べ物や飲み物、食べ方、レシピを見つけることが大切です。また、食事だけでなく、適度な運動や睡眠、ストレスの管理なども、便秘の予防や改善に効果的です。便秘は、一日や二日で治るものではありません。長期的に続けることが、便秘の解消につながります。
この記事では、便秘に効果がある食べ物や飲み物、食べ方、レシピを紹介しました。便秘に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。便秘とおさらばして、スッキリ快便になりましょう。
コメント