和食のプロ直伝!笠原流「すき焼き」で味わう幸せ時間
寒い季節になると、家族で囲む鍋料理が恋しくなりませんか?特別な日には、プロの味を自宅で再現してみたい——そう感じる方も多いはず。今回は、和食の名店「賛否両論」を率いる笠原将弘さんが紹介した『すき焼き』『みたらし餅』『きゅうりのきび砂糖漬け』の3品をご紹介します。どれも笠原さんが長年愛用しているきび砂糖を使った、やさしい甘みが特徴のレシピです。この記事を読めば、料理初心者でも家庭で極上の和食を楽しめるようになります。
きび砂糖のやさしい甘みが生み出す“料亭の味”
笠原さんの料理には、共通する信念があります。それは「甘さで素材を包み込む」という考え方。きび砂糖は精製度が低く、サトウキビ本来のミネラルを多く含むため、角のない甘さで素材の味を引き立てます。和食においては、砂糖の選び方ひとつで味の印象が大きく変わるのです。
今回紹介する3品は、どれもこの“やさしい甘み”を最大限にいかしたレシピ。すき焼きの割下から、デザートのみたらし餅、そして箸休めのきゅうり漬けまで、すべてが調和のとれた和の一膳に仕上がります。
笠原流『すき焼き』(3〜4人前)
家庭の定番である『すき焼き』を、笠原流では昆布だしときび砂糖でぐっと上品に仕上げます。火加減と煮込みすぎないコツを守ることで、肉も野菜もそれぞれのうま味が際立ちます。
【材料】
| 食材 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| すき焼き用牛肉 | 400g | 脂の入りすぎない肩ロースやモモがおすすめ |
| 焼き豆腐 | 1丁 | 8等分に切る |
| 白滝 | 1パック | 下ゆでして水気を切る |
| 白菜 | 400g | ざく切り |
| 長ねぎ | 1本 | 1cm幅の斜め切り(青い部分は香り出し用) |
| 玉ねぎ | 1個 | 1cm幅の半月切り |
| 椎茸 | 4枚 | 軸と傘に分ける |
| 春菊 | 1把 | 半分の長さに切る |
| 卵 | 人数分 | 溶き卵にしてつけだれ用 |
| 牛脂 | 適量 | 鍋に馴染ませる |
| だし昆布 | 15g | 水1Lに浸して昆布だしを作る |
| 酒 | 150cc | 割下用 |
| きび砂糖 | 大さじ8 | 割下用 |
| 醤油 | 150cc | 割下用 |
【作り方】
-
昆布だしを作る
水1Lにだし昆布を加え、冷蔵庫で1日おく。時間がない場合は1時間冷やしてから15分ほど弱火で温め、沸騰直前で火を止める。 -
割下を作る
鍋に昆布だし100ccと酒150ccを入れ、ひと煮立ちさせる。そこへきび砂糖を加えて溶かし、最後に醤油を加えて再び軽く煮立てる。 -
具材を下ごしらえ
焼き豆腐は8等分、白滝は下ゆでして水を切る。野菜はすべて切っておく。 -
鍋で焼く・煮る
すき焼き鍋に牛脂を馴染ませ、長ねぎの青い部分を焼いて香りを出す。白い部分と玉ねぎを加え、軽く焼き目をつける。 -
肉を煮て味わう
割下を加え、牛肉をさっと煮る。溶き卵につけていただく。 -
煮詰まってきたらだしを足す
割下が濃くなったら昆布だしで薄め、他の具材を入れて煮ながら楽しむ。
笠原流では、**「最初のひと口を大切に」**という考えがあります。肉を焼きすぎず、割下が香り立つ瞬間を見逃さないことが、最高の味わいを生むポイントです。
甘じょっぱくて懐かしい『みたらし餅』(2〜3人前)
だしの風味が生きたタレが決め手の笠原流『みたらし餅』。一般的なみたらし団子よりも深いコクがあり、どこか懐かしい味わいです。
【材料】
| 食材 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 切り餅 | 4個 | 4等分に切る |
| 水溶き片栗粉 | 適量 | タレのとろみ付け用 |
| 水 | 250cc | A |
| だし昆布 | 3g | A |
| きび砂糖 | 140g | A |
| 醤油 | 大さじ2 | A |
【作り方】
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餅を焼く
フライパンに並べ、中火で両面がきつね色になるまで焼く。焦がさないように注意。 -
タレを作る
鍋に水・だし昆布・きび砂糖・醤油を入れ、よく混ぜて弱火にかける。沸いたら昆布を取り出す。 -
とろみをつける
水溶き片栗粉を少しずつ加え、とろみがつくまで加熱する。しっかり沸かすことで透明感のあるタレになる。 -
仕上げる
焼いた餅を串に刺し、タレをたっぷりとかける。
ほんのりとしたきび砂糖の香ばしさと、だしの旨味が口いっぱいに広がる一品。お茶と一緒に味わえば、心がほっと和む和のデザートです。
箸休めにぴったり!『きゅうりのきび砂糖漬け』
さっぱりとした口当たりながら、どこかやさしい甘みが残る『きゅうりのきび砂糖漬け』。冷蔵庫で一晩寝かせるだけで完成する簡単な常備菜です。
【材料】
| 食材 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| きゅうり | 5本 | 1.5cm幅の斜め切り |
| 粗塩 | 大さじ1.5 | 下味用 |
| きび砂糖 | 70g | 味付け用 |
| 酒 | 大さじ1.5 | 香り付け用 |
【作り方】
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下ごしらえ
きゅうりを洗い、ヘタを落として斜め切りにする。 -
塩を揉み込む
保存袋に入れて粗塩を加え、しんなりするまで揉む。 -
味を加える
きび砂糖と酒を加え、全体をよく揉み込む。 -
漬け込む
空気を抜いて袋を閉じ、冷蔵庫で一晩おく。時間がない場合は2〜3時間でも可。
冷やしたまま食卓に出せば、箸が止まらない美味しさ。きび砂糖のやさしい甘さが、きゅうりの青味をやわらげ、まるで老舗旅館の小鉢のような上品な一皿に。
きび砂糖がもたらす“やさしい贅沢”
今回の3品すべてに共通しているのは、「きび砂糖」が持つ自然な甘み。一般の白砂糖では出せない奥行きがあり、料理全体がまろやかにまとまります。
笠原将弘さんが「賛否両論」で大切にしているのは、“素材の声を聞く料理”。調味料を主張させるのではなく、素材の味を引き出すこと。きび砂糖は、その考えにぴったり寄り添う調味料なのです。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
・笠原将弘さんの『すき焼き』は、昆布だしときび砂糖の旨みでつくる上品な味。
・『みたらし餅』は、だし昆布の風味で甘じょっぱさが格別。
・『きゅうりのきび砂糖漬け』は、食卓に欠かせないさっぱり副菜。
食材と調味料の“ひと手間”が、料理を格上げします。特別な日こそ、和食の心を感じる笠原流レシピを試してみてください。
いつもの食卓が、少し贅沢なひとときに変わるはずです。


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