糖尿病専門医の冷蔵庫から学ぶ、無理せずできる“秋太り対策”
秋になると「なんだか体が重い」「食べすぎて太ってしまう」という声が増えますよね。実はそれ、血糖値の乱れが関係しているかもしれません。
今回の『ヒルナンデス!』(2025年10月6日放送)では、糖尿病専門医でeatLIFEクリニック市原由美江院長の自宅を訪問。30年以上1型糖尿病と向き合ってきた市原先生が実践する、無理せず続けられる糖質管理のコツが紹介されました。
この記事では、番組で登場したレシピや生活習慣をまとめながら、血糖値コントロールのヒントを紹介します。
日常の動きがダイエットに変わる「こまぎれ運動」
市原先生の1日は、朝の運動から始まります。愛用しているのは家庭用のステッパー。テレビを見ながらでも続けられる手軽な下半身トレーニングで、血流を促し代謝を上げるのが目的です。特に朝に体を動かすことで、体温が上がり、一日のエネルギー消費量が自然と高まります。
番組では健康チェックとして「脂肪燃焼効果が高いのは?」という質問が出されました。選択肢は「A・30分続けて」「B・10分×3」「C・どちらでもいい」。正解は「C・どちらでもいい」。合計の運動時間が同じであれば、脂肪燃焼効果はほぼ変わらないという研究結果があるそうです。
つまり、忙しくても“こま切れ運動”で十分に効果が得られます。たとえば通勤時に階段を使う、掃除中にスクワットを入れるなど、生活の中で意識的に動くことで代謝がアップ。運動を「時間で区切る」のではなく、「生活に散りばめる」ことで、無理なく続けられるのがポイントです。
さらに糖の消費効率を高める運動として紹介されたのがスクワット。太ももの大きな筋肉「大腿四頭筋」は、体の中で最も多くのエネルギーを消費する部位です。ここを鍛えることで血糖を効率的に燃焼し、血糖値を安定させる効果が期待できます。加えて、下半身の筋力をつけると冷えの改善や姿勢の安定にもつながり、長期的な健康維持にも役立ちます。
特別な器具を使わず、1日数回のスクワットやステップ運動を取り入れるだけでも体は確実に変わります。大切なのは「続けること」と「少しでも動くこと」。それが市原先生が実践する“無理なく続く健康法”です。
お酢で血糖値をゆるやかに!1日大さじ1の習慣
市原先生の冷蔵庫を開けると、目を引くのはずらりと並んだ5種類のお酢。それぞれ特徴や使い方が異なり、体調や料理に合わせて使い分けているそうです。お酢の主成分である酢酸には、胃の働きをゆるやかにし、食後の血糖値の急上昇を防ぐ作用があります。食事の最初にお酢を取り入れることで、糖質の吸収スピードが抑えられ、体にやさしい“食後の血糖コントロール”ができるのです。
中でも先生が特に愛用しているのがリンゴ酢。穀物酢の約15倍ものカリウムを含み、体の余分な水分を排出することでむくみの改善にも役立ちます。味もまろやかで飲みやすく、先生は炭酸水で割って食前に1杯飲むのを日課にしているとのこと。甘味料や添加物が入っていないタイプを選べば、ジュースのように楽しみながら健康効果を得られます。
お酢は種類によって香りや風味が異なり、リンゴ酢・黒酢・バルサミコ酢・米酢・玄米酢などをうまく使い分けると、毎日の食事がぐっと豊かになります。大切なのは、ボトルの成分表示を確認して糖質が少ないものを選ぶこと。調味料も意識的に選ぶことで、自然と血糖値ケアやダイエットにつながる——それが**市原先生流の“お酢健康術”**です。
砂糖の代わりは“でんぷん生まれ”の甘味料
市原先生が日常で愛用しているのが、還元麦芽糖という甘味料です。これは、でんぷんを原料として作られた自然由来の糖質で、砂糖の約半分のカロリーしかありません。しかも体内で吸収されにくいため、血糖値の上昇が緩やかになるのが大きな特徴です。
甘さは砂糖に近く、後味もすっきりしているため、普段の料理やお菓子作り、コーヒー・紅茶の甘味づけにも違和感なく使えます。一般のスーパーやドラッグストアでも手に入り、使い方も砂糖とほぼ同じ。砂糖の代わりに置き換えるだけで、自然と糖質量を抑えられます。
また、還元麦芽糖は熱にも強く、加熱しても風味が変わりにくいのが魅力。煮物や炒め物にも安心して使えるため、料理全体のバランスを崩すことなく健康的な食生活を続けることができます。毎日のちょっとした選択が、血糖コントロールの第一歩になる——これが市原先生の食卓に欠かせない理由です。
黒豆茶でメタボ予防!ポリフェノールの力
市原先生が毎日の習慣として欠かさず飲んでいるのが、黒豆茶です。ほんのり香ばしく飲みやすいこのお茶には、黒豆に含まれるポリフェノールがたっぷり。ポリフェノールには中性脂肪を減らす作用があり、継続して飲むことでメタボリックシンドロームの予防にもつながるとされています。
さらに、黒豆にはアントシアニンという抗酸化成分も豊富に含まれており、血管をしなやかに保ち、動脈硬化の予防や肌の老化防止にも効果的。美容と健康のどちらにも嬉しい飲み物です。
ノンカフェインなので時間を気にせず飲めるのも魅力。市原先生は日中の水分補給はもちろん、お風呂上がりや寝る前にも飲むそうです。温かい黒豆茶をゆっくり飲むことで体が温まり、リラックス効果も得られます。1日4〜5杯を目安に、こまめに取り入れるのが先生流。手軽に続けられる“飲む健康習慣”として、多くの人におすすめできる方法です。
肌も脳も元気にする「こんにゃくセラミド」
市原先生が料理で工夫しているのが、糖質の多いじゃがいもをこんにゃくに置き換えることです。こんにゃくには、水溶性食物繊維の一種であるグルコマンナンが豊富に含まれ、腸内環境を整える働きがあります。便通の改善やコレステロールの吸着にも役立ち、血糖値の上昇をゆるやかにするサポート食材として知られています。
さらに注目すべきは、こんにゃくに含まれるこんにゃくセラミド。この成分は近年、美容や脳の健康に関する研究で注目されており、肌の潤いを保つ効果やアルツハイマー病の予防への可能性が示されています。体の内側から肌と脳を支える“ナチュラルな栄養素”として、医師の間でも関心が高まっています。
同じこんにゃくでも、栄養価には大きな違いがあります。セラミドは皮の近くに多く含まれるため、原料を精製して白くしたタイプよりも、こんにゃく芋を皮ごとすりつぶして作ったものの方が栄養価が高いのです。購入するときは、原材料名に「こんにゃく芋」と書かれたものを選ぶのがポイント。健康にも美容にもやさしい一工夫が、毎日の食卓をより良いものにしてくれます。
免疫力アップの“砂肝とピーマンの玄米酢炒め”
市原先生の愛用食材が砂肝。低脂肪・高タンパクで、100gあたりわずか86kcal。
亜鉛も豊富で、肌の修復や免疫機能にも役立ちます。
番組では砂肝とピーマンの玄米酢炒めが登場しました。
【材料】
砂肝(スライス)/ピーマン/すりおろしにんにく/塩コショウ/醤油/酒/玄米酢
【作り方】
-
フライパンに油を熱し、砂肝を炒める。
-
塩コショウとにんにくで下味をつけ、ピーマンを加える。
-
醤油・酒・玄米酢を回し入れ、さっと炒めたら完成。
スタジオで南原清隆と小峠英二も試食し、「玄米酢で砂肝のクセが和らいでおいしい」とコメントしました。
きのこのマリネで免疫強化
冷蔵庫に常備されていたのがきのこのマリネ。
β-グルカンが免疫機能を支え、中性脂肪の吸収も抑える食物繊維です。
冷凍してから加熱すると旨味成分グアニル酸が約3倍に!冷奴に添えるのもおすすめです。
【材料】
しめじ・えのき・舞茸などのきのこ/オリーブオイル/チューブにんにく/塩コショウ/バルサミコ酢/還元麦芽糖
【作り方】
-
オリーブオイルとにんにくを熱し、きのこを炒める。
-
塩コショウ、バルサミコ酢、還元麦芽糖で味つけ。
-
さっと炒めて完成。冷やして保存可能。
ニラと豆もやしのナムルで疲労回復
秋の疲れ対策にはニラがおすすめ。
ニラに含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を高め、疲労回復をサポート。
血管を広げ、血流を改善する効果もあります。
【材料】
ニラ/もやし/ごま油/塩/すりごま
【作り方】
-
もやしとニラをゆで、水気を切る。
-
ごま油・塩・すりごまで和えるだけ。
シャキシャキ食感で食欲がない日にもぴったりです。
朝食の味噌汁に“糸寒天”をプラス
市原先生の朝食には糸寒天入りの味噌汁が登場。
糸寒天は水溶性食物繊維が豊富で、朝に摂ると午後の血糖値上昇を防ぐ「セカンドミール効果」が期待できます。
インスタント味噌汁に加えるだけで、手軽に食物繊維アップ。
昼は「モスの菜摘」で糖質オフ
お昼は外食でも工夫。
この日はモスバーガーの菜摘・海老カツをチョイス。パンの代わりにレタスで具を包むことで糖質を約半分に抑えています。
好きなものを“我慢せずに選ぶ工夫”がポイントです。
夜は“エノキでかさ増し”ミートソースパスタ
夕食は「ミートソーススパゲティ」。
パスタの量を半分にし、エノキでかさ増し。さらに大豆ミートを使うことで糖質をカットしつつ満足感もアップ。
忙しい日でもできる糖質オフレシピです。
まとめ
この記事のポイントは3つです。
-
糖質管理は“我慢”ではなく“工夫”で続けられる
-
酢や糸寒天、こんにゃくなど、身近な食材で血糖値コントロール
-
細切れ運動や食前ドリンクなど、小さな習慣が大きな変化に
日常の中で少しずつ取り入れるだけで、秋の体重増加を防ぎ、血糖値も安定。
「無理せず続けられる健康法」が、何よりの近道です。
出典:
『ヒルナンデス!』(日本テレビ 2025年10月6日放送)
https://www.ntv.co.jp/hirunan/
コメント