秋の味覚を極める!笠原将弘が教えるサンマの最高の食べ方
秋の風が吹くと、スーパーや魚屋の店先に銀色に輝くサンマが並びます。2025年はうれしいことにサンマが大漁で、価格もぐっと手頃に。そんな今こそ、旬の味を一番おいしく味わいたい時期です。
でも、「焼いたら生臭くなった」「炊き込みご飯にしたらべちゃっとした」など、シンプルな料理ほど奥が深く、意外と難しいもの。
そこで今回は、和食の名店賛否両論の店主・笠原将弘さんが伝授する、プロの技で家庭でも驚くほどおいしくなる“サンマの塩焼き”と“サンマの炊き込みご飯”の作り方を紹介します。香ばしさと旨味が際立つ、まさに“秋の主役”の食べ方です。
サンマの塩焼き:シンプルだからこそ極める
香りと脂ののり、そして皮のパリッと感。焼き加減ひとつで味が大きく変わるサンマの塩焼きは、和食の基本にして究極の一皿です。
材料(2人前)
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サンマ:2尾
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塩:適量
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サラダ油:少々
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大根おろし:適量
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すだち:1個
作り方
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サンマの下処理
買ってきたサンマは一度水でさっと洗い、水気をしっかり拭き取ります。
大きい場合は、腹わたを傷つけないようにお腹より上の位置を斜めにカット。 -
塩の振り方
サンマ全体にムラなく塩を振るため、少し高い位置からパラパラと振ります。
皮付きの場合は、しっかりめに塩を振るのがポイント。振ったらすぐに焼くこと。 -
焼き方
フライパン全体に薄くサラダ油を塗り、盛り付けた時に上になる面から焼き始めます。
火加減は弱火と中火の間。強火だと焦げて中まで火が通らないので注意。 -
焼くときのコツ
時々サンマを軽く動かして、焦げ付きを防ぎます。
蓋がある場合は軽く閉めて蒸し焼き状態にすると、ふっくらジューシーに仕上がります。 -
仕上げ
両面に焼き色がついたら器に盛り、大根おろしとすだちを添えて完成。
焼きたてにすだちをキュッと絞ると、香りが立ってより爽やかな味わいになります。
サンマの炊き込みご飯:だしの香りと旨味を閉じ込める
笠原さんの店賛否両論でも提供されている人気メニュー。
焼いたサンマの香ばしさと、だしの風味がご飯に染み込む一品です。脂の旨味を生かすため、ひと手間かけることで格段においしくなります。
材料(2〜3人前)
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サンマ:2尾(塩焼きにしたものを使用)
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米:2合
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大根:150g(1cm角に切る)
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しめじ:1パック(石づきを落としてほぐす)
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万能ねぎ(小口切り):適量
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白ごま:少々
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すだち:1個
【調味液A】
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水:340cc
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薄口醤油:20cc
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濃口醤油:10cc
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酒:30cc
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だし昆布:3g
作り方
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米の下準備
米は研いでから30分以上浸水させ、ザルに上げて水気を切っておきます。 -
具材の下ごしらえ
大根は1cm角に切り、しめじは空煎り(からいり)して水分を飛ばします。
この一手間で香りが立ち、旨味が凝縮します。 -
炊飯準備
土鍋(または炊飯器)に米、Aの調味液、大根、しめじを加えます。 -
炊き方
土鍋の場合は、中火で5分→弱火で15分。
火を止めて5分蒸らせばふっくら炊き上がります。
炊飯器の場合も同じ分量でOK。 -
サンマの準備
塩焼きにしたサンマの身を丁寧にほぐします。
中骨・ヒレ骨・腹骨を取り除き、ウロコが残っていないかも確認。 -
仕上げ
炊き上がったご飯から昆布を一度取り出し、細かく刻んで戻します。
その上にほぐしたサンマの身をのせて5分蒸らします。
最後に万能ねぎ、白ごまを散らし、すだちをしぼって完成。
美味しさを引き出すプロの極意
サンマは新鮮でも下処理を怠ると臭みが出ます。水気を拭く、焼く直前に塩を振る、この2点を守るだけで見違えるような仕上がりに。
また、炊き込みご飯では焼いた香ばしさをいかに閉じ込めるかが鍵。笠原さんのように焼き身をあとで蒸らすことで、身がふっくらと再生されます。
さらに、キノコは空煎りで旨味を凝縮。香りが立つだけでなく、炊き上がりの水分バランスが安定して粒立ちのよいご飯に仕上がります。
仕上げのすだちは必須。油の多いサンマにさっぱりとした酸味が加わり、最後まで飽きずに食べられます。
まとめ:家庭で味わう秋の贅沢
・サンマは塩を振ったらすぐ焼くのが鉄則
・キノコは空煎りして旨味を引き出す
・炊き上がりにすだちを加えて香りをプラス
秋の夜長にぴったりの香ばしいご飯と焼き魚。難しいことは一つもなく、手順さえ守れば誰でも料亭の味が楽しめます。
旬のサンマを使って、今年はちょっと贅沢な“笠原流の秋ごはん”を作ってみませんか?
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