2024年5月20日放送のNHK系【グレーテルのかまど】では、瀬戸康史さんがトルコの伝統菓子「バクラヴァ」を紹介しました。薄く伸ばした生地にピスタチオとシロップをたっぷり使った、絶品のバクラヴァのレシピをお届けします。食感と甘さのバランスが絶妙なこのデザートを、自宅で簡単に作ることができます。
材料と作り方
材料
バクラヴァの材料(直径18cm 底付きタルト型 1台分)
- パータフィロ生地(ユフカ)
- 水:200ml
- オリーブ油:80g
- ベーキングパウダー:3g
- 無塩バター:8g(常温に戻しておく)
- 塩:1g
- 卵:40g(溶きほぐしておく)
- 中力粉:465g(ふるっておく)
- コーンスターチ(打ち粉用/浮き粉でも可):150g
- ピスタチオフィリング
- 皮むきピスタチオ:140g
- 組み上げ
- 澄まし無塩バター:200g
- シロップ
- 水:65ml
- グラニュー糖:100g
- はちみつ:50g
- レモン汁:20ml
作り方
生地の準備
- 中力粉465gとベーキングパウダー3gを混ぜ合わせ、ふるいます。
- 無塩バター8gを常温に戻します。
生地を作ります
- ボウルに水200ml、オリーブ油80g、溶きほぐした卵40gを入れます。
- 別のボウルに準備した粉類、バター、塩1gを入れます。
- 粉類のボウルに水と油の混合物を加え、生地が完全にまとまるまでこねます。
- 作業台に出し、手でもむようにして再度まとめます。
- 表面が乾かないように濡れ布巾をかけ、30分ほど休ませます。
- 30等分にし、表面が綺麗になるまで丸めます(約26gずつ)。
- 打ち粉をたっぷりしながら、めん棒で直径15cmほどに伸ばします。
- 生地の間に打ち粉をし、5枚一組に重ねます。
- 重ねた生地をめん棒で直径20cmほどに伸ばし、薄くなった生地を一枚ずつ剥がします。
- 剥がした生地を再度5枚ずつ重ね、型の大きさにカットします(2セット、10枚分)。
ピスタチオフィリングを作ります
- フードプロセッサーにピスタチオ140gを入れ、多少粒が残る程度まで砕きます。
組み上げの準備
- バターを湯せんで溶かし、澄ましバター200gを用意します。
- オーブンを170℃に予熱します。
組み上げ
- 型の底に澄ましバターを塗り、生地を一枚入れます。
- 生地全体に澄ましバターを塗り、生地を一枚重ねます。これを10枚目まで繰り返します(10枚目にはバターを塗らない)。
- ピスタチオフィリングを全面に広げます(仕上げ用に20g程度残しておきます)。
- 生地を再び9、10を繰り返して重ねます(4セット、20枚分)。
- 残りの20枚も同様に1枚ずつ澄ましバターを塗りながら重ねます。
- ナイフでひし形に切り分けます。
- 澄ましバターをおたま2杯分ほどかけます。
- 170℃のオーブンで90分焼きます。
- 焼き上がる直前に鍋に水65ml、グラニュー糖100g、はちみつ50g、レモン汁20mlを入れ、シロップを作ります。
- 焼き上がった生地にシロップをかけ、残しておいたピスタチオを散らします。
バクラヴァを作るときのポイント
バクラヴァを作る際のポイントを押さえることで、さらに美味しい仕上がりにすることができます。以下の3つのポイントを参考にしてみてください。
1. 生地をできるだけ薄く伸ばすこと
バクラヴァの最大の特徴は、薄く重ねられた層状の生地です。生地を伸ばす際には、めん棒を使ってできるだけ薄く伸ばすようにしましょう。生地が薄いほど、焼き上がりがサクサクと軽くなり、シロップとの相性が良くなります。伸ばす際には打ち粉をたっぷり使い、生地がくっつかないように注意してください。
2. ピスタチオフィリングの粒を残す
ピスタチオフィリングを作る際に、フードプロセッサーで細かくしすぎないように注意しましょう。多少粒が残る程度に砕くことで、バクラヴァを食べた時の食感がより豊かになります。ピスタチオの香ばしさと食感を楽しむために、適度な大きさに留めることが重要です。
3. シロップをしっかり吸わせる
焼き上がったバクラヴァにシロップをかける際には、生地全体に均等に行き渡るように注意します。シロップをかけることで、バクラヴァの甘さとしっとり感が増し、一層美味しくなります。シロップは、焼き上がってすぐにかけると生地にしっかりと染み込みますので、タイミングを逃さないようにしましょう。
これらのポイントを押さえることで、自宅でも本格的なバクラヴァを楽しむことができます。ぜひチャレンジしてみてください!
バクラヴァの歴史と文化的背景
バクラヴァは、トルコをはじめとする中東地域で非常に人気のある伝統菓子です。その歴史は古く、バクラヴァがどのようにして誕生し、発展してきたのかを知ることで、このデザートの魅力が一層深まります。
バクラヴァの起源
バクラヴァの起源は正確には不明ですが、紀元前8世紀頃のアッシリア時代まで遡るとされています。当時、薄く伸ばしたパン生地にナッツと蜂蜜を挟んで焼いたデザートが食べられていた記録があります。これが現在のバクラヴァの原型と考えられています。
オスマン帝国とバクラヴァ
バクラヴァが広く知られるようになったのは、オスマン帝国時代です。オスマン帝国の宮廷では、バクラヴァは高級デザートとして扱われ、特別な行事や祝祭で提供されていました。特に、ラマダン明けの祭り「イード・アル=フィトル」や、結婚式、宗教的儀式などでバクラヴァは欠かせないものでした。
オスマン帝国の影響を受けて、バクラヴァはトルコのみならず、中東全域、バルカン半島、そしてギリシャへと広がり、それぞれの地域で独自のアレンジが加えられるようになりました。
トルコでのバクラヴァ
トルコでは、バクラヴァは現在でも非常に人気のあるデザートであり、特にガズィアンテプ市がバクラヴァの本場とされています。ガズィアンテプでは、特産のピスタチオを使ったバクラヴァが有名で、その品質の高さから「ガズィアンテプ・バクラヴァ」として知られています。
トルコの家庭でも、バクラヴァは特別な機会に作られることが多く、家族や友人と共有されることが一般的です。また、街角のパティスリーや専門店でも気軽に購入することができ、その美味しさは地元の人々に愛されています。
特別な行事でのバクラヴァ
バクラヴァは特別な行事やお祝いの席で提供されることが多いデザートです。結婚式や新年のお祝い、宗教的な祝祭などで、バクラヴァが振る舞われることがよくあります。特に、ラマダン月の断食明けの祭り「イード・アル=フィトル」では、家族や友人と共にバクラヴァを楽しむ習慣があります。
バクラヴァの歴史と文化的背景を知ることで、このデザートが持つ特別な意味や価値をより深く理解することができます。バクラヴァを作る際には、その歴史に思いを馳せながら、心を込めて作ると一層美味しく感じられることでしょう。
まとめ
バクラヴァは、冷めてからが食べごろです。常温で保存し、当日中にお召し上がりください。このレシピでは、生地を薄く伸ばし、ピスタチオとシロップをたっぷり使うことで、サクサクとした食感と濃厚な甘さを楽しめる一品に仕上がります。瀬戸康史さんの紹介したレシピを参考に、ぜひお試しください。トルコの伝統菓子バクラヴァの魅力を、自宅で味わってみてはいかがでしょうか。
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