春の訪れと共に、新たな門出を祝う季節がやってきました。卒業、進学、そして新生活のスタートを迎えるこの時期は、家族で集い、特別な日の食卓を囲む絶好の機会です。きょうの料理では、6人の子どもたちを持つ父親であり、日々家族の夕食を作る谷原章介さんが、そんなハレの日にふさわしい料理「手まりずし」を提案します。色とりどりの具材で飾られたこの寿司は、見た目にも華やかで、作る過程も家族のコミュニケーションを深める楽しい時間となるでしょう。
谷原家のハレの日ごはん
手まりずし
画像元https://www.nhk.jp/p/kyounoryouri
手まりずしは、その名の通り、手のひらで丸めることから名付けられました。刺身は3種類に絞り、彩り豊かな野菜や薬味を加えることで、バリエーションを楽しむことができます。子どもたちも巻き込んで、家族みんなでワイワイと作ることができるのが魅力です。この活動は、家族の絆を深める貴重な時間となり、記憶に残るハレの日の食卓を作り上げます。
調理時間:25分(ご飯を炊く時間、すし飯を冷ます時間は除く)
カロリー:430kcal
塩分:2.3g
注意事項:ご飯は堅めに炊き、グレープフルーツジュースは100%果汁またはグレープフルーツの絞り汁が使用可能。スプラウトを昆布じめにする時間は除く。
材料(4人分/24個分)
- ご飯(温かいもの):720g
- すし酢
- グレープフルーツジュース(100%果汁):大さじ3
- 砂糖:大さじ2と1/2
- レモン汁:大さじ1と1/2~2
- 塩:小さじ1と1/3
- 刺身(たい、まぐろ、サーモン 各8切れ)
- あしらい
- スプラウト(ブロッコリー、紫キャベツ 各1パック)
- 青じそ、柚子の皮、木の芽、とびこ、塩昆布(各適量、細切り)
- 昆布:10×15cm 2枚
- しょうがの甘酢漬け(市販、適宜)
- 酒(適宜)
作り方
- 昆布の準備
多めの酒を含んだ布巾または紙タオルで昆布の両面を拭き、しっかりとしめらせます。この工程により昆布のうま味が引き出され、スプラウトに深い味わいを加えます。 - スプラウトの準備
スプラウト(ブロッコリー)の根元を切り落とし、昆布で挟んでラップでしっかり包み、1時間ほどおきます。この昆布じめはスプラウトの風味を豊かにし、シャキッとした食感を保ちます。 - すし酢の調合とご飯の仕上げ
すし酢の材料をよく混ぜ合わせ、砂糖と塩が完全に溶けるまで混ぜます。大きなボウルにご飯を入れ、すし酢をしゃもじで回しかけながらサックリと混ぜ合わせます。この工程でご飯が均一に味付けされ、すし飯のベースが完成します。 - すし飯の成形
ラップを広げ、その上にすし飯を24等分にして1つずつ置き、ラップを使って丸く整えます。手まりずしの美しい形状を作り出すための重要なステップです。 - 具材のトッピングと成形
ラップを開き、すし飯の上にあしらいを少量ずつと、刺身を1切れずつのせます。再度ラップで包み、強く握りすぎないように注意しながら形を整えます。このやさしい圧力が具材を崩さずにまんべんなく分配します。 - 盛り付け
ラップを開き、手まりずしを器に並べます。最後に、好みのあしらいを少々トッピングし、しょうがの甘酢漬けを添えれば完成です。これにより、目にも鮮やかで食欲をそそる手まりずしができあがります。
手まりずし作りのコツとポイント
ここからは、私からの提案です。手まりずしは、見た目の美しさと食べやすさで人気の寿司です。ここでは、初心者でも美味しく、見た目も鮮やかな手まりずしを作るためのコツとポイントを詳しく解説します。
1. すし飯の握り方
- 力加減: すし飯を握るときは、優しく、でもしっかりと。飯粒が潰れないように、手のひらで軽く押し固める程度に留めます。ラップを使って握ると、形が崩れにくくなります。
- 温度: すし飯は少し温かいほうが握りやすく、冷めてしまうと硬くなりがちです。適度に温めてから使いましょう。
2. 具材のバランス
- 具材の選び方: 色鮮やかな具材を選ぶことで、手まりずしをより華やかにします。たい、サーモン、まぐろの刺身、アボカド、きゅうり、錦糸卵などがおすすめです。
- 具材のサイズ: 具材はすし飯の上に乗せやすいように、適度な大きさに切ります。大きすぎると握った時に具がはみ出しやすくなります。
3. 具材の配置
- 色のバランス: 具材を配置する際は、色のバランスを意識します。異なる色の具材を交互に配置することで、全体としてバランスの取れた、美しい仕上がりになります。
- トッピングの工夫: トッピングには、彩り豊かな野菜や薬味を使用します。小さく切った野菜や、細かく刻んだハーブ、柚子皮などを使うと、見た目にも香りにもアクセントがつきます。
4. 仕上げのポイント
- ラップの活用: すし飯と具材をラップで包んで形を整えると、均一なサイズの手まりずしを作ることができます。また、手や具材がベタつくのを防ぎます。
- 飾り付け: 完成した手まりずしの上に、少量のとびこや金箔、食用花を飾ると、特別な日の食卓にふさわしい華やかさをプラスできます。
これらのコツとポイントを押さえれば、初心者でも美しく、美味しい手まりずしを作ることができます。家族や友人と一緒に、手まりずし作りを楽しんでみてください。
えのきまみれシューマイ
画像元https://www.nhk.jp/p/kyounoryouri
ハレの日のおかずとしては、「えのきまみれシューマイ」がおすすめです。シューマイの皮を使わず、短く切ったえのきで包むというユニークなアイデアです。肉だねに加えたれんこんのシャキシャキとした食感がアクセントになり、味わいに深みを加えます。また、このシューマイは見た目にもユニークで、食卓を彩る一品となるでしょう。
材料
材料 | 量 |
---|---|
えのきだけ | 大1袋(300g) |
鶏ひき肉(むね) | 250g |
れんこん | 120g |
しょうが(みじん切り) | 1かけ分 |
ねぎ(粗みじん切り) | 30g |
酒 | 大さじ |
すりごま(白) | 大さじ1と1/2 |
ごま油 | 大さじ1 |
顆粒チキンスープの素(中華風) | 小さじ2 |
こしょう | 少々 |
細ねぎ(小口切り) | 適量 |
すりごま(白) | 適量 |
練りがらし | 適量 |
片栗粉 | 適量 |
酢 | 適量 |
しょうゆ | 適量 |
作り方
- えのきだけは根元を切り落とし、上半分は4~5cm長さに切ってバットに広げます。これはシュウマイの外側に使います。
- 下半分は5mm幅に切ってほぐし、肉だねに混ぜるためのものです。
- れんこんは7~8mm角に切り、水にさらしてから水気を切ります。これにより、れんこんの食感が良くなります。
- ボウルに入れたれんこんにしょうがを加え、片栗粉大さじ1を振ってまぶします。これはれんこんが肉だねにしっかり絡むためです。
- ひき肉、肉だね用のえのきだけ、ねぎ、【A】を加えて練り混ぜ、粘りが出たら8等分にして丸めます。
- 手を綺麗に洗い、丸めた肉だねをバットに入れたえのきだけでまぶします。これはシュウマイに香ばしさと食感を加えるためです。
- オーブン用の紙を敷いたせいろ(または蒸し器)に並べ、蓋をします。
- 鍋に湯をたっぷりと沸かし、せいろをのせ、蒸気が上がってから強めの中火で15分ほど蒸します。これにより、シュウマイがふっくらと仕上がります。
- 器に盛り、細ねぎとすりごまを散らし、練りがらし、酢、しょうゆを適量添えて完成です。これで味に深みと辛味を加えることができます。
このレシピで美味しいえのきまみれシュウマイをお楽しみいただけると思います。お試しください!
エノキまみれシューマイのための特製ソースレシピ
ここからは、私からの提案です。シンプルながらも味わい深い「エノキまみれシューマイ」をさらに引き立てる、特製ソースのレシピをご紹介します。家庭で簡単に作れる甘酢ソース、ピリ辛ソース、そして柚子こしょうを使った和風ソースの三種類です。
これらのソースは、エノキの食感とシューマイのジューシーさを引き立て、食卓を彩る美味しさを加えてくれます。
あさりと菜の花のお吸い物
画像元https://www.nhk.jp/p/kyounoryouri
食事の締めくくりには、「あさりと菜の花のお吸い物」を添えることで、春の息吹を感じさせるメニューとなります。あさりの出汁が効いた優しい味わいと、菜の花の鮮やかな色合いが、ハレの日の食卓をより一層特別なものにします。
材料
材料 | 量 |
---|---|
あさり(砂抜きしたもの) | 250g |
菜の花 | 4~6本 |
昆布(10㎝四方) | 2枚 |
酒 | 大さじ1~2 |
塩 | 少々 |
薄口しょうゆ | 少々 |
作り方
- 昆布の下準備: 昆布は水カップ4と1/2につけ、一晩おいておくことで、昆布から旨味が出て、だしの風味が増します。一晩経ったら取り出してください。
- 菜の花の下処理: 菜の花は熱湯でサッとゆでることで、苦味を取り、鮮やかな緑色を保ちます。ゆでた後は水に取り、水気を絞ってください。
- 盛り付けの準備: 菜の花を食べやすい大きさに切り、お椀に等分に入れます。これにより、食べる際に均等な味わいを楽しむことができます。
- あさりの下処理: あさりはよく洗い、水気を切って鍋に入れます。あさりの砂抜きは、砂や不純物を取り除き、清潔で美味しいお吸い物を作るために重要です。
- だしを取る: 昆布だしに酒を加えて中火にかけます。沸騰したらアクを取り、弱火にしてください。アクを取ることで、お吸い物が澄んで美味しくなります。
- あさりを煮る: 殻が開くまで煮ます。あさりが開いたら、旨味が出ている証拠です。
- 味付け: 塩小さじ1/2弱、薄口しょうゆ少々で味を調えます。塩分は控えめにすることで、あさりと昆布の自然な味わいを引き立てます。
- 完成: お椀にあさりとだしを注ぎ、菜の花を上に飾って完成です。あさりのお吸い物は、温かいだしと旬の菜の花の組み合わせで、春の訪れを感じさせる一品になります。
お料理のコツや工程の詳細を加えてみました。参考になれば幸いです。
昆布だしの取り方のバリエーション
ここからは、私からの提案です。昆布だしは和食の基本であり、そのうま味は多くの料理に深みを加えます。一晩かけて昆布だしを取る方法以外にも、時間がない時に役立つ短時間で美味しい昆布だしを取る方法や、昆布と鰹節を組み合わせてさらに風味豊かなだしを取る方法を紹介します。
短時間昆布だしの取り方
材料:
- 昆布: 20cm長さ
- 水: 1リットル
作り方:
- 昆布の準備: 昆布は軽くふき取って汚れを落とします。水につけることで旨味が出やすくなるため、事前に水洗いはしないでください。
- 水と一緒に煮出す: 水1リットルに昆布を入れ、中火にかけます。沸騰直前で昆布を取り出します。沸騰させてしまうと昆布が出す成分が変化し、味が損なわれることがあるので注意してください。
この方法では約15分から20分で昆布だしを取ることができます。
昆布と鰹節を組み合わせただしの取り方
材料:
- 昆布: 20cm長さ
- 鰹節: 30g
- 水: 1リットル
作り方:
- 昆布だしを取る: 上記の短時間昆布だしの取り方に従い、昆布だしを取ります。
- 鰹節を加える: 昆布を取り出した後の熱湯に鰹節を加えます。火を止めてから鰹節を入れ、約1分間そのままにしておきます。
- 濾す: 鰹節が沈んだら、だしを濾して鰹節を取り除きます。この時、鰹節を強く押し絞ると雑味が出るため、自然に沈んだ鰹節を取り除くだけにしましょう。
昆布と鰹節を組み合わせることで、一層深い味わいと豊かな香りのだしが完成します。このだしは、あさりと菜の花のお吸い物はもちろんのこと、各種和食料理に幅広く使用できます。
これらの昆布だしの取り方のバリエーションを試すことで、料理の味わいをさらに引き立てることができます。時間がない時や、より風味豊かなだしを求める時に、ぜひ試してみてください。
まとめ
谷原家のハレの日の食卓は、単なる食事の場ではありません。それは家族の絆を深め、共に成長していく大切な時間です。手まりずしを中心に、創意工夫を凝らしたおかずと春の息吹を感じさせる一汁で、家族の笑顔が集う温かな食卓を垣間見ることができます。これから迎える新たな門出を、美味しい料理と共に祝福しましょう。
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